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ペトロ by 今野 敏

王様のブランチで取り上げられていて
興味をもち図書館で3ケ月待ちで到着!

今野敏作品はお初です。

殺人事件の現場に残された
ペトログリフ(古代文字)
その謎を解明するのは、
警部補と大学教授のバディ

日本が舞台で一体どんな風に
話が進むのかと期待感一杯だったのですが、、

殺人事件と古代文字、そして考古学の世界
という背景が仇となって
いかんせん人物の相関関係に広がりがなく
犯人の存在感も動機もどうにも薄すぎて
正直肩すかしをくらった感が否めませんでした。

それでも考古学、言語学、民俗学に通じ
日本で教鞭を執るユダヤ系アメリカ人
ジョエル・アルトマン教授の登場は
とっても新鮮で興味深かったです。
この教授の講義を聞いてみたい♪


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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
高名な考古学教授の妻と二番弟子が相次いで殺された。それぞれ現場の壁には異なったペトログリフが刻まれていた。日本の神代文字と、メソポタミアの楔形文字だ。これらは犯人が残したものなのか?その意味は?警視庁捜査一課の碓氷弘一はペトログリフに詳しい人物を探し求める。そして出会ったのは、考古学・言語学・民俗学に通じ、さらに鋭い議論のテクニックを持つ、風変わりな外国人ージョエル・アルトマン教授だった。刑事も教授も、真実を究める姿勢は同じ。捜査のプロと学問のプロが、強力タッグで犯人を追いつめる。

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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

緋色の研究 by コナン・ドイル

TV版映画版の影響で
脳内で”旬”なシャーロック・ホームズ 
小学生か、中学生で読んでいたつもりですが、
日々乏しくなっている記憶をさぐると
「まだらの紐」や「バスかヴィル家の犬」くらいしか
読んでいないことが判明し (おまけに多分子ども向け版)
こりゃー一度ちゃんと読もうということで
手にしたのがこれ!



図書館で借りるとか、他の出版社からも色々出ているんですが
決めてはやっぱり”表紙”でした。
 (あと、翻訳家が女性ってのも)
カバーイラスト えすとえむ氏 
なんか名前に聞き覚えがと思ったら
注目雑誌ITAN
  (↑といいつつ買ってませんが、とにかく気になっている)
の大注目の作家さんの一人  BL作家さんでもあるんだ?!

お話はいわずもがな
 ホームズとワトソンの出会いの話です。
同居人を募集中の二人が出会った場は
大病院の実験室 
 新しい血液検査薬の実験成功に大喜びしているホームズに
 実直な感想を述べるワトソン 

一般的な自己紹介なんてすっとばして
 同居のためには互いの欠点の把握が重要と
 自己の欠点自慢が始まるのは
 さすが変わり者のホームズですが、

ただいま当方の頭の中はカンバーバッチ・ホームズが
90%をしめているので 
「原作のホームズってそれほど慇懃無礼じゃないじゃない」
とか
 「ワトソンの率直な賞賛に頬をそめたりして謙虚な人」
など
 TVドラマのフィルターがかかったままで
事件の概要や推理の冴えよりも 妙なところで
感心している自分がちと悲しかったです。

犯行の手口というか駆け引きの内容は
とても納得のいくもので面白かったです。

ただ一部の最後でいきなりホームズが犯人を捕まえ
 「これで事件決着。いかなる質問にもこたえましょう」と
終わったのに

 第二部ではいっきなり舞台は
 開拓時代のアメリカで
 さらに知らない人名がだだだ〜と出てきたのには
 面食らい、
 ホームズってやっぱりTV版のようにいけずで
 推理披露してくれない気なの???と
 一瞬、本気で半泣きになりました。

がっ こちらは犯人が犯行にまで至った道のりの
 長〜いお話で、ええ〜こんな理不尽なことが、、と驚いたり
 彼の驚異的な執念の復讐劇にはうなってしまいました。
しかし”この”宗教団体からクレームって入らなかったのかな?
 
とつらつら書いてはいるのですが
もうどうにもこうにもTV版が頭から離れていなくて
横に本を置いてblog書いている今も
「私、本当にこの本読み終えたのかな」と
狐に化かされた気分です。 

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

チーズと塩と豆と

お世話になっているくまさんの所で気になった作品
図書館にてゲット!

 4人の女流作家によるヨーロッパを舞台とした短編集
「チーズと塩と豆」このタイトルがとっても気になって、、、

余談:豆となると私の頭の中では枝豆は別として
 ”甘い”という味覚に直結するので チリビーンズは苦手

 そして当然と言えば当然ですが 大半が食にかかわる話

特に心に残ったのは 角田光代作 神さまの庭
          森絵都作  プレノワール

 どちらも原点回帰のお話で 似てるかも

どちらの主人公も 家族のしきたり ということに
ひどく反発を覚え嫌い、外の世界へと出て行き
色々な紆余曲折をへて 家族とともに囲む食事の意味を
かみしめて ふるさとへ戻ってきますが、
 たんなる郷愁ではなく、
外の世界を垣間みてこその 
 新たなる故郷での生活がうかがえました。
同時に自分自身の生活の ”食事” の機会にも
いろいろ考えることが、、、
 
 人と一緒に食事するって 大事な時なんだと!


”神さまの庭”  角田光代著
 スペインの片田舎で育った主人公、
 楽しい知らせも、おめでたの報も、
 そして愛する母の間近に迫った死の知らせの時までも
 必ず家族、親戚をクラブと呼ばれる集会所に集め
 手料理を囲んで話し合われることに
 ひどい反発を覚え家訓にあらがい、
 一人あちらこちらへと旅を続けながら
 いつのまにか培った料理の腕をかわれて 
 難民キャンプでの炊き出しを行う
     NGOからスカウトを受けます。
 その時は
「今日、明日と食べる物に窮する人々に食べ物を
 提供して 引き揚げた後はどうなるの」と思いますが
そのスカウトを受けた(主人公が食事を作っていた) 
 ヒマラヤ登頂登山隊の休息場となるゲストハウスの
 マスターの言葉をきっかけに そのNGOの仕事に就くことに

引用
~「こういうとき
(登山隊が遭難したとき) 思うんだよ。
 ああ あの日(出立の日に) 
 あいつらが食いたいものを(故郷の味を)
 たらふく食えて、よかったって」 ~ 

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10月放送の、NHK・BSハイビジョン紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフードを求めて旅をし、その土地を舞台に書かれる短編小説アンソロジー。その小説は、ドラマ化され、番組に挿入される。井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)、角田光代はバスク地方(スペイン)、森絵都はブルターニュ地方(フランス)。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
頑な心と心が接触する土地。
4人の直木賞作家の「食と愛」の物語。

【目次】(「BOOK」データベースより)
神さまの庭(角田光代)/理由(井上荒野)/ブレノワール(森絵都)/アレンテージョ(江國香織)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
井上荒野(イノウエアレノ)
1961年東京生まれ。1989年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞受賞。2008年『切羽へ』(新潮社)で第139回直木賞受賞

江國香織(エクニカオリ)
1964年東京生まれ。1989年「409ラドクリフ」で第1回フェミナ賞受賞。2004年『号泣する準備はできていた』(新潮社)で第130回直木賞受賞

角田光代(カクタミツヨ)
1967年横浜市生まれ。1990年『幸福な遊戯』(角川文庫)で第9回海燕新人文学賞受賞。2005年『対岸の彼女』(文藝春秋)で第132回直木賞受賞

森絵都(モリエト)
1968年東京生まれ。1990年『リズム』(講談社)で第31回講談社児童文学賞新人賞受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』(文藝春秋)で第135回直木賞受賞

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

私たちには物語がある by 角田 光代 「今日どんな本をよみましたか?(197235)」

 こちらも新聞の書評欄にのっていたのを
きっかけに図書館より借りました。

とても惹かれたのが
~はじめて雑誌に感想文を書いた時の決意~

書評、感想文、ブックレビュー、新刊紹介、呼び方はなんでも
いいけれど、水を読んで何か書く仕事がきたら、
この先ぜったいに私は断らない。
ぜんぶ、ぜんぶ引き受けよう。
そうしないと、私は作家になれないし、
作家でい続けることもできない。
かなり悲壮な、硬い決意だった。


 これはあとがきに書かれたことですが
そんな決意をされた 角田さんが紹介される本への
まなざしは とてもやさしいです。
と 同時に とても真摯で
 
読み終わって満足いかないと
 (特に単行本の時) 「失敗した~ お金返して~」と
心の内で 叫んでしまう私には 以下の言葉を
しっかり噛み締めなければとおもいました。


~ 面白いと思えない本でも「つまらない」と決めつけない
人と同じ 百人いれば、百個の個性があり、百通りの顔がある

つまらない本は中身がつまらないのではなく
相性が悪いか、こちらの狭小な好みに外れるか
どちらかなだけだ。

そうして時間が経ってみれば会わないと思っていた相手と
ひょんなことからものすごく近しくなる場合もあるし、
こちらの好みが変わることもある。

つまらない、と片付けてしまうのは
(書いた人間にではなく)書かれ、すでに存在している
本に対して、失礼である。 ~




私たちには物語がある

私たちには物語がある

価格:1,470円(税込、送料別)



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
まるごと物語にのみこまれることの至福。すべての本とすべての本を必要とする人へのラブレター。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 本のある世界でよかった(交際履歴/美の信仰者─川端康成/強い小説─太宰治『斜陽』 ほか)/2 読書の部屋1─2003~2006(日常に溶けこんだ万華鏡世界/増殖した「我」がゆがむとき/においのゆたかな、うつくしい小説 ほか)/3 読書の部屋2─2007~2009(強くて開いている小説と明晰を超えた言葉/生きることはかくも理不尽である/人が死んでも生き残る「家」の力 ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
角田光代(カクタミツヨ)
1967年生まれ。90年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、99年『キッドナップ・ツアー』で路傍の石文学賞。2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞を受賞

なんとなくな日々 by 川上 弘美 「今日どんな本をよみましたか?(197235)」

今日は月一度の同僚とのランチのお出かけのお供に
センセイの鞄の川上弘美さんのエッセイ
 「なんとなくな日々」を読破

 タイトルの通り”なんとなくな”日常を
気負いも面白い味付けをするのでもなく
淡々と でも味わい深く語る言葉はうつくしい

 その日常は時に 川上作品のように
 異性界への口をぽっかりとあけていたり

 まったりのんびりとした生活臭あふれる
 逸話だったり

 なるほど~発見というか心にとどめるということは
 驚いたり楽しかったり目新しいことにであうだけじゃなく
 変わらないことや毎日のなかでもみつけることが
 できるのだな~としみじみ思いました。

 ご自身のTV出演の時にしてもらったプロのメイクの
 たとえはお見事! 「アイロンかけ」

 胸が熱くなったのは 作者と「世間話」をする仲の
 小学生の男の子の逸話

 自分の顔をへんだと思い込み 鏡をみないようにしていた
 彼は 引っ越した新しい家の玄関に置かれた大きな鏡を
 毎日ながめるはめとなり ひとつの積み重ねをおこない
 自分の顔がへんじゃなく可愛いとおもえるようになった
 とのこと

本文より
 「ずっとへんだったら、自分がかわいそうでしょ。
  だからね、ぼく、一生懸命いいきかせたんだよ。」

 なんとすごいことか!

  そして川上さんは彼に「すごいね」と繰り返し
  二人でおせんべいを食べてその後牛乳を飲んだ そうです。

 なんとなくな日々は ひそやかに心躍ることばかり
 



なんとなくな日々

なんとなくな日々

価格:380円(税込、送料別)



内容情報】(「BOOK」データベースより)
春の宵には、誰もいない台所で冷蔵庫の小さな鳴き声に耳を澄まし、あたたかな冬の日には、暮れに買い置いた蜜柑の「ゆるみ」に気づく。読書、おしゃべり、たまの遠出。日々流れゆく出来事の断片に、思わぬふくよかさを探りあてるやわらかいことばの連なりに、読む歓びが満ちあふれます。ゆるやかにめぐる四季のなか、じんわりしみるおかしみとゆたかに広がる思いを綴る傑作エッセイ集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
台所の闇(台所の闇/シベールの日曜日/青山のえんど豆/まざるまざらない ほか)/なんとなくな日々/平成の蜜柑(平成の蜜柑/春が来る/春の憂鬱/新緑の夢 ほか)

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
川上弘美(カワカミヒロミ)
1958(昭和33)年東京都生れ。’94(平成6)年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。’96年「蛇を踏む」で芥川賞、’99年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、’01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、’07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

これからは歩くのだ by 角田 光代 「今日どんな本をよみましたか?(197235)」

 角田作品は初めてで、
 その最初の一作がまたまた小説ではなく
 エッセイというのに多少後ろめたさを
 感じつつ 一気に読んでしまいました。

 作者本人の日常ながら、
 まるで一遍の短編小説を読んでいるような
 エピソードやら
 爆笑もののエピソード
 うんうんあるよそんなこととうなづいてしまう
 エピソードと

 しなやかでたくましく笑い溢れる文面に
 親しみをもてるエッセイでした。


 
これからはあるくのだ

これからはあるくのだ

価格:530円(税込、送料別)



【内容情報】(「BOOK」データベースより)
自分が住んでいる町で道に迷い、路上で詐欺にひっかかり、飛行機が嫌いなのに海外旅行に出かけてしまうカクタさん。騙されても理不尽な目に遭っても自らの身に起こった事件を屈託なく綴るエッセイ集。そのボケッぷりとユニークな発想は、少女時代から大炸烈!大人になってよかった、と思える一冊です。

【目次】(「BOOK」データベースより)
わたしの好きな歌/人を喜ばせるプロフェッショナル/記憶の食卓/「引っ越しました」最新版/これからは歩くのだ/記憶力塾/ネパールの友達/十数年後の「ケンビシ」/透けていた/バスの中〔ほか〕

蛇を踏む by 川上 弘美 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」

川上作品 三作目
小川洋子氏の書評本で紹介されていて
手にしたんですが、、、、 

摩訶不可思議なお話ばかりの短編集




【内容情報】(「BOOK」データベースより)
藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、
現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。


踏んだ蛇がどろりと溶けて形をうしない
言葉を話して人間の形をとり
「あなたの母だ」と名乗り
主人公と同居をはじめる

、、、、、 なんとも 
 薄気味悪い話であるはずなのに
数行読むだけで ここは そんな非日常が
 当然のことと受け止められている

ごくごく普通の世界なんだということに
ストン と納得がいきすらすらと読めてしまいます。

そして
 この不思議なはずの世界に
 有無を言う間もなく
 連れだされてしまったような
 感覚を味わう話でした。


 短編三作とも 私達の日常では
おこりえない世界が舞台ではあっても
異世界という垣根が感じられず その一方で
親近感や既視感というものを 何一つ感じさせない
 
 著者があとがきで 書いているところの
    「うその世界」

 不思議な世界の中においての
非日常な出来事に 
 解決策も打開する気力も持ち得ないまま
 ただ つづいていくであろう物語

 

訃報! 栗本薫氏 「最近、読んだ本を教えて!(84315)」

本日、月一の検診から帰ってくると

仕事前の相方がyahoo ニュースを見ていて

 「グイン・サーガって知ってる」

 「知ってるも何も 毎週アニメ鑑賞中♪」

 「その作者が急逝だって」

 「えっー

びっくりしました。癌に蝕まれていて
療養されつつ執筆を続けて
ご主人にささえられて日々過ごしているとか
TVか雑誌のインタビューで語られていたのを
覚えているんですが、、、、、

 超大作 グイン・サーガの放映も始まった矢先で
ギネス級の長編である本作の完結もならず
そして アニメの最終話まで見届けないままに、、、

一瞬 横山光輝氏が頭にうかびました。
こちらは事故でしたが 2004年版 鉄人28号のアニメが
スタート直後にお亡くなりになられて、、、

栗本作品、中島梓名義も どっちも読んだことは
なかったんですが アニメスタートしたのを機に

その長大さにびびって 名前は知っていても
絶対 手を出すまい! と思っていた

グイン・サーガ
 せめてアニメ化される巻まで挑戦しようと

図書館から借りて 読み始めていて
奇しくも 今日 病院の待合室で 
     2巻目読み終えたばかりでした。

ご冥福をお祈りします。

 ふと 浮かんだのは 作家の方への哀悼の意って

 著作を読むことなんだと

非常にあたりまえのことなんですが 
     しみじみと思った一日です。

蟹工船 by 小林 多喜二 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」

今市子さんの「萌えの死角」を読んでいたら
 ドラマCDの「蟹工船」が聞きたくなったんですが(腐っ)

 原作ちゃんと読む前に よからぬ?脇道にそれると
頭の中のイメージがぐちゃぐちゃになって
感想もろくすぽ書けなくなるということが
判明したので ここは大人しく原作から
きちんと 読むことにしました。
(夏目漱石の”こころ”でちと失敗 
  いまだに 感想がまとまりません)


  蟹工船



海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、
乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。
“国策”の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者の
ストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」



 小林多喜二の名前を聞いたのは たしか
小学校の高学年か中1の頃、学校の先生からで、

特高警察に拘束され拷問死したという話を聞いて
 ただただ 怖い、恐ろしい 可哀想 といった
感情だけが残っていたような気が、

 経歴は一応 把握していたのですが
その強面な印象から著作から遠のいてました。

 様々な出自の出稼ぎ労働者を安い賃金で酷使し、
高価な蟹の缶詰を生産する海上の閉鎖空間である
蟹工船が舞台で文字通り陰惨な状況が続くのですが

 表現、描写にどこかしらユーモアを含み
例えるなら
 パリパリと煎餅を食べている音のような
生きのいい比喩で 読み進めやすかったです。

 共産主義、社会主義に触れた部分というのは
ごく一部で、ただ それをきっかけにして
サボタージュ、ストライキへとすすむのですが

 むしろ”気づく”ことがこの作品のテーマじゃないかと
自分の現状、状況を見つめ
 より良くいきるために 何をすべきか考え
 行動できる 権利が人間にあるんだと

搾取するもの(資本家、工場側の人間)に向ける言葉も
 現在と比較すると 辛辣ではあるけれど
オブラートに包んだような控えめな表現で

 蟹工船、タコ部屋などという世界が
あたりまえに存在し
また、そんな社会に対する疑問、憤り、批判を
こんなわずかに盛り込んだだけで 更迭される
危険にさらされていた時代があったことを
忘れてはいけないし 逆戻りしてはいけないんだと
身震いする思いでした。




こっちに入っていたのを読みました。

古道具 中野商店 by 川上 弘美 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」

川上弘美作 「古道具 中野商店」を読みました。

川上作品で一番最初に読んだのが
wowwowで小泉今日子主演 柄本明競演のドラマにもなった
「センセイの鞄」

こちらで二作目となります。

 とりとめてすごいことが起きるわけでもなく
 なんとなく"へん"な人たちの出来事が
 独特のリズムで とつとつと語られます。
 各章が11章にわかれ 
 タイトルは その章で 登場する
 文房具だったり
 古道具の名があてられていますが
 これもとりとめのないままに
 次の章へと移り
 
骨董ではない古道具屋の イ・ロ・ハを
なんとな~く垣間みた気分にさせてくれました。 

 でも ぐいぐいとひきこまれていくというか
 読むのにあきたりしない
 不可思議な魅力のある作品でした。

川上さんの感情の表現の豊かさには感服でした。

例えば 同僚のタケオと 同僚以上 恋人未満というか
仲違いのようなもやもやした 
  緊張感をはらんだ状態にある「わたし」が
店主の姉のマサヨさん(とっても魅力的な女性)と話していて
年をとると言い争いひとつでも、
     もしかしたらその言い争いを最後に
相手が先に死んでしまうこともあると考えてしまって
 きつい一言を言うこともためらわれてしまうという話を聞いて

ありもしないはずなのに 万一のことがあったらと
いてもたってもいられなくなり 
     タケオに会いにいく場面から

~引用~
「死んでませんように」の間に、ときおりぽつんと 
「死んでたらどうする」という思いもうかんでくる。
それは「死んでいるわけないじゃん」と
            対になっている思いだが、
 死んでいるわけない、の中に、
     万一死んでいるとしたら、もしかして、
すごく、すごく、ほっとするかも、という、
   針の先でつついたほどの微細な思いがある ~


こんなふうに心の正直な揺り返しを
 目の前にさらされたら にやり としてしまいます。




東京近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち…。不器用でスケール小さく、けれど懐の深い人々と、なつかしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋と世代をこえた友情を描く傑作長編。


心霊探偵 八雲 赤い瞳は知っている  by 神永 学 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」

4冊目
~作品紹介~
見えないものが見えるほど恐ろしいことはない…死者の魂を見ることのできる男、斉藤八雲。彼の赤い瞳が、次々に起こる殺人事件に挑む。


 ネットでとっても面白いと聞きかつ本屋さんでも
ミニコーナーあったので人気作品なんだと手に取りましたが、 

主人公は赤い瞳の左目を持ちその瞳に死者の魂を映す大学生
 斉藤八雲 その瞳ゆえに 
  幼少の頃に母親に殺されかけ(それだけじゃなさそうですが) 

他の人間には見えないものをみていることすらわからず
怯える姿に奇異の目をむけられ化け物扱いされて
心を閉ざしてしまっている青年。

物語はお酒飲んだ勢いで大学の怪談話の舞台に
足を踏み入れて恐ろしい目に遭い昏睡状態に陥った友人を
心配し超能力を持つと噂される八雲を訪ねる春香との
出会いからはじまりますが 

1巻にエピソード三つ

設定はとても面白いとおもうのですが 
いかんせん内容が軽すぎ! 

殺人の動機、経緯、犯罪後の挙動、
 出現する霊の理由、想い、どこにも深みがなくお手軽すぎ、
当然描写も少ない! 

多けりゃいいってものではないですが主人公2人以外は
存在感がないにひとしく感じます。

比べてしまうのですね八雲の苦悩は宮部みゆきの
「龍は眠る」の直也ほどに感じられず
      (だから可愛げがあるのですが)、

霊の伝えたい想いはマンガ「東盛玲の所見」(池田さとみ)の
ようなせつなさが伝わらない。 

脇キャラも今の所、台詞ぐらいでしか八雲を
気にかける描写しかなくて物足りない。
  (峰倉かずやのwild、、もうやめ) 

まあ 文句はならべてますが売れている事だし
物語にふくらみがましているのではないかという期待を
持って2巻目も手にするとおもいます。

そこそこ厚そうに見えて2時間程度で読めるのは 
冊数の目標達成に最適! そういえば「花とゆめ」で
マンガ化が決定されているのですね。
力量のある漫画家が作画担当されるといいですね。 

ビジュアルの圧倒感で話のゆるいところを
      締めてもらえたら買っちゃいます。
 

檸檬 by 梶井 基次郎 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」


胸を病み憂鬱な心をかかえて街を浮浪していた「私」は、ふと足を停めた果物屋で檸檬を買った。その冷たさと香りは、突然「私」を幸福感で満たし…。自らも病に苦しみながら、透明感あふれる珠玉の作品を遺した著者の、代表作「檸檬」

2~3週間前の”開運! なんでも鑑定団”で 梶井基次郎氏の手紙が
鑑定にでていて その短い生涯の紹介と代表作「檸檬」の名が

そう言えば学生時代に 漫画かなにかで「檸檬」の最後の場面が
描写されていて手に取ったことがあったのを思い出しました。
当時は 多分読む前におしゃれな心弾むようなものだろうと
勝手に思って読み始めて 鬱々とした暗さに「なにこれっ
とよく理解できなかったことも記憶にしっかりと

もう一度読んでみたいなとDS文学全集をチェックしてみるとありました!

作者をおもわせる肺を病んだ「私」が自身の健康や
生活の不安か焦燥にかられて街をさまよい歩く中
自分がすきだったものを思い浮かべる場面には
苦しかったり辛い日々のなかで好みのものを
目にしたり手に取ったり夢想することが
鬱々としたモノクロームのような世界に
鮮やかな色がうかびあがってくるような
うきたつ気持ちがつたわってきます。

一方で体調や気分によっては想像することも
気晴らしを考える力ももてないようなとき
「私」はお気に入りの果物店で”檸檬”をもとめ
その色、形、重みに気分をなごませて、
たしかなものを手にした高揚感をもち

しばらく足のむかなかった丸善で
画集を積み上げ その”檸檬”を
自分の気を重くさせる諸々のことを
粉砕させる時限爆弾にみたて店をあとにします。

私自身が年をとったことと親が逝ったり
最近、病気したこともあるゆえか
”檸檬”の鮮やかな黄色とその形、重みを
心を晴らす確かな存在として抱きしめる
主人公のせつなさや、それを時限爆弾にみたてて
鬱屈としたものを吹き飛ばすことを
夢想するいたづら心が
なんともいとおしく感じました。




ハイヒールで追いつめろ by 喜多島 隆 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」




嘉手納広海、25歳、表参道にある広告代理店に勤めるコピーライター。ある日、彼女の企画したキャンペーンがボツだと告げられ、コピーの変更を指示された。クビを覚悟で断わった彼女は、制作局長からある特別な仕事を命じられた…。自分の“スタイル”を持つ大人の女を主人公に、スリリングにハードボイルドタッチで描く、著者新境地の書下ろし。

17冊目
新しい本ばかり買ってないで部屋でほこりかぶっている本も消化しようと引っぱりだしてきた一冊1991年書き下ろし、古  というのはいわゆるバブルがはじけた頃の作品になるかと思うのですがバブリ~な香りがただよいます。
 出てくる車はユーノス、ジャガー、ベンツ、洋服はブランド名ずらり、雰囲気は一時期はやったトレンデイドラマ(死語?!)風

 服のスタイル、歌、本でもなんでも時代の波をものともしないものと ”その時”ならいきおいで流行るけれど、時の流れにもまれて色褪せてしまうものは笑いがこみあげるな~と痛感しました。これまで本読んできてこういった古さを感じたのは初めて
幸いだったのは読みやすかったこと
  話は主人公が制作局長から極秘任務を命じられる所からはじまります。その任務とは広告のキャンペーンに起用するタレントの身辺調査。せっかく企画CM組み立てていざ放映という直前でスキャンダル騒ぎが起きてしまったら広告代理店は大損害
 それを回避するには身辺調査は欠かせないが興信所では万一スキャンダルがあった時、お金目当てにマスコミにリークされる可能性もあるというかもうすでに痛い目にあっているので社内で探偵といった存在がある方が良いとの判断から、社員の中で沖縄空手の有段者、英語も堪能で、なにより肝が据わっていて行動力抜群の主人公に白羽の矢が立ちます。
 もちろん制作局長からの採用試験もありますが楽々と及第!! 50万円渡して一流レストランで門前払いされないだけのドレスアップしてこいだの、都心で30分は通常かかる道のりを15分で到着しろと命じ運転技術をみてみたりとお洒落なテストのオンパレード。

お話は当然さくさく進み 最初の調査対象は二十歳直前のアイドル 調査をすすめるうちに背後にやくざのからむダフ屋の存在がわかっていきます。主人公はそんな怖い状況のなか首をどんどんつっこんでいってサクサク物事は解決していきます。(んな、簡単に物事すすむものかい)
ハードポイルドと紹介文に書いてありますが、これはsoft-boildでした。

センセイの鞄 by 川上 弘美 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」




駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく
センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。



50冊目
 大衆文学というのはなんとなくイメージできますが 
 純文学ってどうラインをひくのかわかりません。
 今作は純文学となるそうです。

 作品は小説よりwowwow制作のドラマのニュースで知っていました。
未視聴なんですがツキコが小泉今日子、センセイは柄本明 
お互いのなじみの居酒屋での元教師と元教え子の再会 
なんとなく気になっていましたが文庫をみつけたので即購入

一杯飲み屋で隣り合わせての再会 以来 待ち合わせをするでもなく
どこへ出かけるでもなく そのなじみの飲み屋で一緒になったときに
二軒目、三軒目とはしごをして一緒に飲み歩く 
不思議な組み合わせの年の離れた 男と女 
いややっぱり 元教師と元教え子、 

   ただ師弟関係ではなく”ひとり”で暮らす 同志のような 
   互いに相性がぴったりの人と人との距離のとりかたを大事にして
   付き合いを深め紡いでいく物語  


「ツキコさん」と先生は呼び 「センセイ」と月子は呼ぶ 
 このカタカナの響きにはカタカナの少しとんがったイメージではなく 
 お互いしか呼び合わない特別な響きのように感じました。


 元国語を教えていた先生の話す言葉は一見説教じみているような 
 でも決して威圧的なものではなく言うなればセンセイの存在そのものです。
   (日本語は美しい響きをかなでるものなんですね)
 対するツキコも多少意固地なところはあっても背伸びするでなくやはり等身大の存在

 共通するのは 互いに”ひとり”であるということを 
暮らし、仕事、日々の中できちんと認めしっかり噛み締めていること。
 楽しむというか嗜んでいるようなゆとりが感じられます。
辛く想像するだに怖くなりますが 人は一人で死んで逝く
 それを自分たちの生として受け止めているようないさぎよさを行間から感じました。

作品はそんな死に彩られた内容ではなく帯にあるように 

”あわあわ”とゆっくりとでもじれったさを感じないまま

 はぐくんでいく恋愛小説なんですが 

 どんな人でも多分 ふとしたことで芽生えてしまう”孤独感”を
慈しむように抱きしめたまま、恋する相手を慈しみ、
慈しむ相手を得た自分の幸運を愛でている物語だなと感じました。

吸血鬼ハンター"D" by 菊池 秀行 「今日どんな本をよみましたか?(197234)」

辺境地区の一小村の街道に少女は黒い鞭を手にしてたたずんでいた。通りかかる旅のハンターに戦いを挑むために。父親仕込みの腕に覚えはある。自分を倒せるハンターなら、吸血鬼に噛まれた喉の傷痕を消してくれるかもしれない。一度 "貴族の口づけ" を受けた者は、その吸血鬼を倒さぬ限り、永久に呪われた存在になる。少女ーードリスは、吸血鬼ハンターを探していたのだ。西暦12090年、卓越した科学力を駆使して人類の上に君臨した吸血鬼は、種としての滅びの時を迎えても、なお人類の畏怖の対象であり、吸血鬼ハンターは最高の技を持つ者に限られた。そして、ドリスはついに出会った美貌の青年ハンターは、だが冷たい口調でこう尋ねた。《おれはダンビール(吸血鬼と人間の混血)だ。それでよければ》   ~あらすじより~



32冊目
1983年シリーズスタートで今も続いている人気シリーズですが私は菊池作品自体初めて読みました。Book Off物色していてたまたま目に入ったのですが数年前に劇場版のアニメをレンタルしてたのを思い出して購入!
その劇場版アニメ(原作では3作目)は米国で先に(当然台詞は英語)公開され字幕版にて後から日本で公開、セルDVD化時に日本語吹き替え入れたという異色作。貴族と呼ばれる吸血鬼の居城の中世ゴシックロマンの背景とロケットランチャーやらミサイルなどの武器と、設定がよく分からなかったのですが映像の美しさにしごく満足していたのが記憶にしっかり残ってましたのですが一巻目を読んで
設定に納得。SFものでした。

根本は猿の惑星のように地球が最終戦争にみまわれ残された数少ない人類達は業火の果てに荒れ果てた地で生活の水準も知識も後退をよぎなくされ文明の精度も中世時代におちてきた中、伝説の中にうずもれていたはずの吸血鬼たちが歴史の表舞台へと登場し超科学と魔法を酷使した新たな文明を生み出し、自らを貴族と名乗り人類を隷属していく。しかし不老不死である貴族達の歴史も5千年たらずでなぜかしら終焉への道のりを歩みはじめ、勢力を盛り返してきた人間の反乱にあい形勢は逆転、そんな中でも人間の貴族"吸血鬼”に対する畏怖・恐怖は消えることがなくその恐怖を排除してくれるのが吸血鬼ハンター達。

 吸血鬼ヴァンパイアという存在は小説・映画・漫画・ゲームで延々題材として取り上げる枚挙にいとまはないほど人を惹き付けてやまない存在ですが、この作品はこれにまた懐かしき西部劇のすじがきが加わります。荒野で窮地にたたされた姉弟が雇いいれた流れ者が危機を救って無言で去っていく 私が書いてしまうととっても安っぽく思えてしまいますが設定、登場人物の個性がきわだっていて、なによりも不老不死である吸血鬼達の命のはかなさというのがしみじみ伝わってくるところがぞくぞくしてきます。

冴え冴えとした美貌の主人公Dの魅力もさることながら女性キャラ達の勇み肌ながらかいま見せるDに対するせつない恋心も読ませます。
 正直あまり期待してなかったのですがノスタルジックでありながら凝っている設定の中に納得がいく語り口調が心地よく楽しんで読みました。
プロフィール

Lake Moraine

Author:Lake Moraine
Lake Moraine Book Cafe へようこそ!
タイトルのLake Moraine(モレーン湖)は20ドル札の絵柄にも使われているカナディアンロッキーにある美しい湖からとりました。
お気に入りの場所でゆったりとくつろいで好きな作品の話を楽しんでもらえたら嬉しいです。

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